プロジェクトの背景と目的
まず、今回新たにスタートした『ハイウェイまっぷる』のプロジェクト概要と、立ち上げの目的について教えてください。
すでに高速道路をご利用いただいているお客さまに加え、普段利用されない方にもSA・PAの魅力を知っていただき、実際に立ち寄っていただきたいという想いから、新メディア『ハイウェイまっぷる』を立ち上げました。
本メディアでは、SA・PAや高速道路に関する情報にとどまらず、地域の観光資源や旅の楽しさを再発見いただけるよう、お土産やグルメ、周辺のドライブ・観光情報なども発信しています。こうした情報発信を通じて、SA・PAの新たな価値創造につなげることを目的としています。
これまでの情報発信にはどのような課題があったのでしょうか?
これまでの情報発信はどうしても「いま高速道路を利用している方」向けが中心になっていました。ただ、昨今の状況を見ると、カーシェアの普及で交通手段が多様化したり、高齢化による免許返納、少子化といった変化がありますよね。
確かに、社会情勢の変化による影響は大きいですね。
はい。このままでは将来的に、高速道路やSA・PAの利用者数が徐々に減少していくことが想定されます。そうした環境変化を踏まえると、従来のユーザー層に向けた発信にとどまらず、新たな来訪動機を創り出して「これまで利用していなかった層」にも関心を持っていただくことが重要だと考えました。そこで情報発信のあり方を見直し、新規ファンの獲得に動く必要性を感じていました。
パートナー選定の決め手
複数社によるプロポーザルを経て弊社を選定いただきました。昭文社を選んだ最大の決め手は何でしたでしょうか?
プレゼンテーションを拝見して、「まっぷる」というブランドとコラボレーションすることで、旅行への関心が高い層へしっかりアプローチできる点です。そこが昭文社さんならではの強みだと感じました。
「旅行への関心が高い層」へのアプローチが、今回の課題解決には重要だったということでしょうか。
そうですね。新たなSA・PAファンの獲得を目指すうえでは、旅行やおでかけに関心の高い層に対し、「高速道路を使って出かける楽しさ」や「立ち寄る価値」を伝えることが重要だと考えました。
その点において、長年培った旅行者視点で魅力を編集・発信し続けている昭文社さんの強みは、本取り組みの目的と非常に親和性が高く、有効なアプローチが実現できると感じました。
コンテンツの切り口などについてはいかがでしたか?
課題であった普段高速道路を利用しない方に向けたコンテンツとしてご提案いただいた「高速道路の使い方解説」なども、非常に的確なご提案でした。これらのコンテンツはすでに公開していますが、社内でも好評です。
WEB・ガイドマップ・SNSの役割と制作プロセス
今回「WEBサイト」「紙のガイドマップ」「SNS(X・Instagram)」の3つを制作・運用されています。それぞれの役割やこだわりを教えてください。
まずWEBサイトですが、こちらは高速道路ユーザーだけでなく、普段利用されない方にも「楽しく見てもらえるサイト」を目指しました。路線や地方に偏らず、東日本エリアを幅広く紹介しています。
「楽しく見てもらえる」という点で、具体的に想定されたターゲット層やコンテンツの工夫はありますか?
主に若年層やファミリー層をターゲットに想定しました。普段利用しない方にとっての利用への心理的ハードルを下げることと、「行ってみたい」と感じてもらうきっかけづくりを重視しています。
たとえば、イラストやハッシュタグを用いて親しみやすいデザインにしたり、先ほどお話しした高速道路の使い方を紹介する「トリセツコンテンツ」を入れたりですね。
他にも、ゲストを迎えたインタビュー記事で共感を呼んだり、グルメやお土産といった目的化しやすいコンテンツテーマを強化したりしています。
実際のおでかけ予定がない方にも、気軽に楽しんで自然とSA・PAの魅力に触れていただけるようなつくりにこだわりました。
紙のガイドマップやSNSの役割についてはいかがですか?
ガイドマップは、高速道路情報と観光地等の情報を載せて、旅行の計画に直接活用していただくことが目的です。持ち運びに便利なコンパクトさにこだわりつつ、広げたときに地図とSA・PAの施設情報を同時に見られるようにしました。
SNSについては、ユーザーとのエンゲージメントを高めていく運用を目指しています。
実際に制作が進む中で、紙媒体であるガイドマップの編集やデザインに対する印象はいかがでしたか?
紙面の限られたスペースに、地図と施設情報をどう収めるかが一番の課題でした。でも、同じ面に地図とSA・PAの施設情報をうまく配置していただいたことで、情報量が充実しつつも、視認性の高いレイアウトになりました。道路地図帳等の「マップル」ブランドを長年手掛けている昭文社さんならではの地図制作ノウハウが活きているなと感じています。
複数のチャネルの制作を並行して進めましたが、全体のディレクションや進行管理はいかがでしたか?
タイトなスケジュールだったんですが、WEBサイト・ガイドマップともに柔軟にご対応いただけて大変助かりました。複数チャネルを並行して作る中でも、昭文社さんで窓口を一元化していただいたおかげで連携が取りやすく、スムーズかつスピーディーに進められましたね。
ローンチ後の反響と成果
2026年4月に無事ローンチを迎えました。完成した媒体をご覧になった率直なご感想はいかがですか?
まずは無事にローンチを迎えることができ、安堵しております。WEBサイトは、SA・PAの楽しさがしっかり伝わる仕上がりになったと感じています。
ガイドマップの方も、GW前の配布開始というタイミングだったこともあり、多くのお客さまに手に取っていただけました。ガイドマップに関しては、東北・関東エリアを1枚に収めるのには苦心しましたが、コンパクトなのに情報が充実したマップに仕上がったと思います。
WEBサイトの仕上がりについて、社内の反響はいかがでしたか?
社内でも「見やすいサイトになった」と多く声があります。記事検索がしやすかったり、全体的にシンプルで分かりやすい構成になっていたり、イラストを使った親しみやすいデザインが特に評価されています。
定量的な成果や反響の数値など、現時点でなにかありますでしょうか?
はい、2026年4月末時点の状況になりますが、ガイドマップ配布部数は年間約210万部を予定していて、現在89エリアで配布しています。
また、SNSに関しても立ち上げ直後の初期反応として、具体的な数字が見えており、ユーザーとの接点が生まれ始めています。
今後の展望と昭文社への期待
一緒にプロジェクトを進めてみて感じた、提携パートナーとしての昭文社の魅力や強みは何だとお感じですか?
やはり、長年の地図制作やガイドブック制作で培われた「編集力」が一番の魅力ですね。WEBサイトの制作では取材にも何度か立ち会わせていただきましたが、安心してお任せできるなと感じました。難しいご相談をしたときにも一緒に考えていただけるので、非常に心強く感じています。
最後に、今後『ハイウェイまっぷる』をどのように育てていきたいかお聞かせください。
何度も訪れたくなるような、魅力あるメディアへと育てていきたいです。今回の大きな課題である「SA・PAの新たなファンの獲得」を通じて、実際にエリアへ足を運んでいただけるように、引き続き昭文社さんにはお力添えをお願いしたいです。